
COVID-19対策について、日本は世界各国と異なり法整備がないため、強制的な”ロックダウン”をすることができません。そのために、政府や行政庁は国民市民に「お願い」することになるのですが、これがある意味逆手に取られて、生活保障は限定的ということにつながっているようにも思います。
さて、ロックダウンを行ってきたイギリスが、ロックダウンを解除することになりました。 今までの状況を振り返ると、2020年3月のBMJの投稿では、 ベッド数は限られているので医療が逼迫すれば患者の選別をする可能性があることを示唆しています。
”The advice comes amid growing fears that escalating pressure on the UK’s limited intensive bed capacity could lead to a similar situation to that faced by doctors in Italy, who have been forced to choose which patients to allocate to beds to.”[1]
実際、2020年4月には入院患者は1万人を突破し、最大2万人を超えていました(イギリスの人口6650万人)。 ちなみに、日本の2021年4月21日の入院者数は1万人を超えています[2]。日本においても医療の逼迫が迫っていること(大阪など地域によってはすでに逼迫)は、他国の状況と変わりありません。
イギリスでは2021年4月までに440万人が感染し127,000人が死亡したといわれています。特に、2020年秋に変異株が特定されて以降、急激に患者が増加し、2021年1月末〜2月初旬は4万人弱が入院しました。一方、ワクチン接種は医療従事者および80歳以上高齢者を対象として2020年12月8日に始まりました。2021年1月18日には70歳以上に枠を広げています。国を挙げての一大事業で、段階的な接種計画です。ロックダウンとワクチン接種が奏功して、徐々に入院患者数が減り、4月中旬で2000人程度となりました。(ichef.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/38A2/production/_118189441_hospital_cases_uk_24apr-nc.png)
日本でも感染者数が増えながらワクチン接種を進めていくという状況になっています。
[1]Iacobucci G. Covid-19: doctors are given new guidelines on when to admit patients to critical care BMJ 2020; 368:m1189. doi: doi.org/10.1136/bmj.m1189 (Published 24 March 2020) [2]新型コロナウイルス感染症患者の療養状況、病床数等に関する調査結果(4月21日0時時点) www.mhlw.go.jp/content/10900000/000772806.pdf