変異株デルタ・プラス AY.4.2

ワクチン接種の進んでいる英国では2021年10月20日に48,545人の新規感染者が確認されており、その中から新しいデルタ株亜種(デルタ・プラス、 AY.4.2)が確認されている。従来のデルタ株と比べてより重症化するという証拠はないが、AY.4.2株の感染が増えており、最新の国のデータでは感染者の6 %がこの変異型だったと報道されている。イギリスHealth Security Agency(健康保障庁)は10月20日にAY.4.2 の監視レベルを「調査対象変異型」(variant under investigation)に引き上げた(英国名称VUI-21OCT-01)。 保健省によれば7月の最初の確認から9月24日までに確認されたAY.4.2感染者は176人だった。 これが10月21日までに22,017 人の感染が確認され、そのうちイングラント地域で15,120人だった[1]。

このデルタ株亜種(AY.4.2 )はインドで発生したと考えられており、インド政府では、研究結果からより感染が広がりやすく、肺の細胞に感染しやすく、モノクローナル抗体治療に耐性を持つ(治療効果が弱まる)可能性があるとしている[2]。
デルタ株亜種はA222V とY145Hに主要な変異がみられる。イングランド地域のデータでは、救急入院0.31%(27/8,666)、死亡0.72%( 67/8,665)であり、従来のデルタ株と比べて若干リスクが高くなっていた[1]。

イギリス政府のデルタ株亜種への対応は、いずれの変異株に対するものと同様であるとHealth Security Agency (健康保障庁)高官は述べている[1]。 まずはワクチン接種、3度目となるブースター接種(免疫増強)の案内が来た人は速やかに接種してもらうこと。また、人が大勢集まる場所(公共エリア)でのマスク着用、屋内で人と会う時に窓やドアを開けての換気、といった注意を引き続き払うことが必要であり、症状があれば PCR検査を受けて陰性結果がでるまでは自主隔離すること、である。
[1] assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1028113/Technical_Briefing_26.pdf <assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1028113/Technical_Briefing_26.pdf>
[2] www.bbc.com/news/health-59009293 <www.bbc.com/news/health-59009293>