日本は感染者数が少なく死亡率が欧米に比べて低いのだから医療が逼迫しているのがおかしい、という指摘をされる方がネット上で見受けられました。こうした方々には、他国の医療提供体制をどの程度ご存じなのか、伺いたいです。また、日本の高い医療技術に感謝するところから学んで欲しいと思います。 特に東京の場合は、重症患者数はECMO使用が必要な患者さんで公表されています。年明けにはついに100人を超えました。 他国はどうでしょう。 日本と同様にECMO製造メーカーを持つドイツで755台、ロシアが150程度、アメリカは264医療機関に配備されているようなので1000台くらいはあるのでしょうか。英国のうちイングランド&ウェールズ地域で15台・スコットランド6台・北アイルランド0台のようです。(各国比較がすぐでてきたのがwikipediaだったので、興味のある方は根拠資料ご確認ください) 日本は、テルモ社とニプロ社からの供給のおかげで、全国に2200台以上のECMOがあります。ECMOによる治療を受けることができないような都道府県はありません。
このECMOを動かして患者さんの病態管理をするために看護師2名、手術や病態悪化時には医師を含め10名くらい必要と言われています。新興感染症の患者さん相手となれば通常以上に気を遣うことも必然です。ECMOも使えて感染症にも対応できる、そんな医師・看護師は人数が限られています。だからこそ、重症患者を増やさないための、手前手前の段階での1人1人の努力が必要だと思います。