学問の世界の探求はまず観察からはじまります。”今”あるいは”過去”の観察によって仮説が作られます。 観察の視点には主観が入りますから、同じ事象を観察していても、立ち位置によって仮説の立て方にも変化が生じます。 いろいろな仮説があるなかで、多くの観察を行い、普遍性を見いだせれば、真実に近づきます。 また、観察を数値化することで、統計学を当てはめることができます。 統計学では、観察データから得られた変数(事象)Aと変数(事象)Bとの間に関連性(相関関係)があるかどうか、例えばAの値が大きくなるとBの値が小さくなるといったような状況があるのかどうかを、数式を用いて検討します。 ただ、これでは、Aが増加したからBが減少した、という原因と結果の関係なのか、はたまたBが減少したからAが増加した、という原因と結果の関係なのか、AとBとに関連するXというものが実はあってXが原因でAが増えたりBが減ったりするのか、という原因と結果の関係性は全く分からないのです。 そのため例えば仮説として「Aが増えたからBが減った」という原因と結果の関係性(因果関係)を証明するためには、また別の観察が必要になります。その観察とは、今から先を観察する方法です。日当たりの良い鉢植えと日当たりの悪い鉢植えをしばらく観察する、というようなことです。日当たりの良し悪しの環境を人為的に作って実験的に行うこともあります。