渋沢栄一「論語と算盤」(1)

新しいお札になるお方の本を読もうと思い「論語と算盤」を選びました。
渋沢栄一氏は、江戸末期・明治・大正を生き昭和6年に他界されています。 明治維新がおきる頃に、パリ万博使節団としてヨーロッパ視察をしています。 ヨーロッパ好きの私には羨ましいです!パリと言うことは英語以外にもフランス語も使いこなしていたのでしょうか。 私もフランス語にチャレンジしようと思っているので気になりますw

「論語と礎盤」には、現代の色々な矛盾や政治家の嘘にもグサリと刺さるような故人の意見が、論語を中心とした中国古典を引用しながら披露されています。欧州を視察して西洋かぶれになるのではなく、むしろ論語との共通点から普遍的なものを導き出しているのかなと思いました。 私が購入した文庫版「論語と算盤」中国古典の原文に対しては、編集の方による現代国語での訳や背景の解説も添えられています。

例えば
言行君子之枢機。枢機之発、栄辱之主。
言行は君子(教養人)にとって枢機のように重要なもの。この引き金を引く一瞬が、栄誉か恥辱かどちらかを決める。
文章全体も堅苦しい感じもしますが、このまま最後まで少しずつでも読破しようと思います。 ちなみに、私の周りの何人かの医師が、渋沢栄一氏を支持しており読むよう勧められたことがありました。その背景に経済人たる渋沢氏が社会や公共を反映することが経済の務めである、としていて、医療を公共の財であるとみなしていたことがあるようです。

板橋区にある現在の東京都健康長寿医療センターは、養育院として設立され、その初代院長は渋沢栄一でした。また、私も学んだ東京慈恵会医科大学も、渋沢栄一氏が財政支援に関わっていました。気がつかないうちに時代を超えたご縁があったようで、本を読み進めるのも気持ちが入ります。