医薬品情報学の授業を先月に引き続き行いました。
今日はEBMと研究デザインについて。
もっと掘り下げた話をしてあげたいのですが、学生がついてこれなければ意味がないと思っているので、教科書ベースです。でもそれだけではやはり面白くないので、今日はアビガンの話もしました。具体的には添付文書を見せます。
医療用添付文書検索システム
https://kaorinomura.info/wp-content/uploads/2020/07/添付文書_アビガン.pdf (2020年7月1日時点)
報道で5月中に承認ときいて、学生達はどう思っていたのでしょう。
添付文書の検索方法や添付文書そのものについて、初めて授業でならったばかりだったので、実際に自分で添付文書を調べた学生はいないようでした。
実際に臨床試験の情報を確認すると、海外の投与量の異なる参考データとはいえ、オセルタミビルを対照薬とした第Ⅲ相試験でタミフルよりも効いていないとか、プラセボ対照試験で検証した症状が緩和されるまでの時間は、例えば中央値にして98.6時間が84.2時間(なにも治療しないよりも(プラセボよりも)14.4時間早く症状が緩和されたということなど、話題提供しながら、添付文書に治験結果の概要が示されていることを紹介しました。いかに添付文書に興味を持ってもらうか、教科書に書いてあることが、実際にどのように表現されていて、日々の医療でどのように活用されるのか、イメージがつながったら良いなと思います。