日本政府による2021年分のロナプリーブ確保について、中外製薬が政府と合意しまし た。 (中外製薬プレスリリース2021年5月10日)
政府の調達目標20万回のうち7万回分が確保されているようです。 (2021年7月30日毎日新聞web)
海外の研究(メタ解析)による無症候性感染者の割合の推定は33%とされていますが[1]、新型コロナ感染者における無症候性感染者の割合については、まだ定まった見解 はありません。
<仮定> 感染者のうち70%が有症状と仮定すると、感染者1日10,000万人の場合は有症状7000 人。 軽症および酸素投与不要の中等症が8割くらいと見積ると、5600人。 さらにリスク因子を持つ人を、このうち半数だとすると、2800人。 ロナプリーブ7万回分を2800人/日で、1ヶ月程度(計算では25日)、まかなうことが できる。
注意点: 実際の軽症者の割合やリスク因子をどのように設定するかによって数値が変動します。治験と比べると「診 療の手引き」は対象範囲が狭くなっています。
■治験時リスク因子*7割に有効性を確認 ・50歳以上 ・肥満 ・心血管疾患(高血圧を含む) ・慢性肺疾患(喘息を含む) ・1型または2型糖尿病 ・慢性腎障害(透析患者を含む) ・慢性肝疾患 ・免疫抑制状態(医師の判断による)
■コロナ本部「診療の手引き」リスク因子 ・65歳以上 ・肥満 ・高血圧 ・慢性閉塞性肺疾患(COPD) ・2型糖尿病 ・慢性腎臓病 ・固形臓器移植後の免疫不全 ・脂質異常症 ・喫煙 ・妊娠後期 ・悪性腫瘍
1. Oran DP, Topol EJ. The Proportion of SARS-CoV-2 Infections That Are Asymptomatic : A Systematic Review. Ann Intern Med. 2021 May;174(5):655-662. doi: 10.7326/M20-6976. Epub 2021 Jan 22. PMID: 33481642; PMCID: PMC7839426.