レギュラトリー・サイエンス

“regulatory science is the science of optimizing scientific and technological developments according to objectives geared toward human health” By Dr. Mitsuru Uchiyama Sheila Jasonoff. What is the regulatory science?Concept and history in United States and in Japan. Clin Eval 39(1)2011. cont.o.oo7.jp/39_1/p167-80eng.pdf [臨床評価39巻1号]

「レギュラトリー・サイエンス」とは故内山氏がかつて世界的にも初めて創った言葉です。その心は、ヒトの健康に貢献するという目的に照らして科学技術開発を最適化するための科学ということで、科学技術がテーマです。企業経営がテーマではありません。


しかし、RISFAXの記事(2021年4月6日配信)によりますと、バイタルケーエスケー・ホール ディングスの村井泰介社長が、レギュラトリーサイエンス学会のWEBシンポジウム (2021年4月5日開催)において、以下のような発言をされたそうです。 ”医薬品の特性や安定供給を顧みず「安く購入できればよい」との立場の医療機関・ 薬局が一定数存在する現状を憂慮した。医薬品を「モノ」とみなし、大量取引すれば 大幅値引きは当然などと考える「市場万能主義者の方が多く見られる”


日本レギュラトリーサイエンス学会は、医薬品等の科学技術を応用する業界におい て、私個人としては、規制に必要なサイエンスの中身の議論の展開を期待している学会のひとつで す。ただ、残念ながら上記のとおり最近は、企業の至上命題である”売上”に直結する”政策”がテーマ になりがちなようです。 それは、もちろん私への批判を恐れずに言うとすれば、 ”学会という学識議論の場において企業の金策を議論しようとする参加者が一定数存 在する。科学的議論に注力せず「客が入れば良い」というテーマに注力すればよいと いう、サイエンスとは名ばかり思考の方々が多くみられる” という状態です。

学会には私の好きなサイエンスをトピックとして選んでほしいと思っています。 或いは、いつか改名されてしまうのでしょうか・・・