アストラゼネカワクチン 血栓症

アストラゼネカのワクチンについて、日本ではまだ承認されていませんが、連日メディアが取り上げ加熱気味です。EMA がいち早く見解を述べてくれて、一安心です。 高齢者はもともと高血圧や脂質異常症ある人も多く、脳心血管障害はよくいわれるリスク。今回の評価でも、コロナ流行前の計算上の推計値と比べて報告数に変わりない、とのこと。
むしろ日本においては秋以降の一般向け接種までに、欧米の40代50代の更なる分析が行われることを期待するのかな、と思います。
接種後14日以内、非高齢者での血小板減少症等の初期症状(内出血しやすい(あざ)、出血しやすい、持続する頭痛など)への引き続きの注意が必要と考えられます。
血小板減少を伴う稀な血餅との関連の可能性はあるものの有益性が危険性より勝る
2021年3月18日に開催された欧州医薬品庁におけるPRAC臨時会議において、ワクチン接種を受けた人々における「血餅」に関する初期段階の評価として以下の通り結論づけた。 未だ感染拡大をつづけるCOVID-19の驚異との闘いにおいて、副反応の危険性よりもワクチンの有益性が勝っている ワクチンは被接種者にける血餅関連の全体的なリスクの増加との関連性はない 工場特有あるいは特定のロットに関連した事象の証拠がない しかしながら、ワクチンは非常に稀な血餅症例*と関連があるかもしれない。(*血小板減少症と関連する。出血を伴うかどうかに関わらず、血管内血餅の稀な事象(脳静脈洞血栓症CVST)を含む。) 英国及び欧州における2000万人の被接種者(2021年3月16日時点)がいるなか、欧州医薬品庁において播種性血管内凝固症候群(DIC)7症例の報告、脳静脈洞血栓症(CVST)18症例の報告を検討した。因果関係は証明されていないが、しかし可能性はあるため更なる分析をする価値はある。
承認前および承認後のワクチン接種事業における関連の報告は479症例であり、一般的な発生頻度より低い。これらCVSTおよびDIC症例のうち死亡9例について詳細に検討した。9症例のほとんどが55歳未満で女性であった。しかし、一般的にも非常に稀な事象であり、かつ、COVID-19自体がしばしば血栓症を起こすため、(比較対照として)ワクチンを接種していない人における血栓症事象の発症率を導き出すことは困難である。参考として、COVID-19流行前の状況においては、50歳未満の人々においてワクチン接種後14日以内のDICの報告は1例と計算上想定することができたが(3月16日までの推計)、実際には5症例の報告があった。同様に、CVSTについて1.35報告が想定されたが、12症例報告があった(3月16日までの推計)。このような不均衡は、高齢者においては見られなかった。
www.ema.europa.eu/en/news/covid-19-vaccine-astrazeneca-benefits-still-outweigh-risks-despite-possible-link-rare-blood-clots 2021年3月18日