保険適用に向けて
再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては、平成26年11月5日の中医協総会で議論されました。 承認された品目はまだ少なく再生医療等製品の価格設定の制度化できるほどの知見が得られていないため、薬理作用的に体内での反応を期待する製品と医療機器/材料のように臓器機能を代替するような製品とで、それぞれ医薬品と医療機器の制度を適用することになっています。 すなわち、承認(条件・期限付承認を含む。)された再生医療等製品については、保険適用の希望のあった個別の製品の特性を踏まえ、医薬品の例により対応するか、医療機器の例により対応するかを、薬事承認の結果を踏まえて判断します。その上で、それぞれ薬価算定組織又は保険医療材料専門組織で償還価格について検討し、その結果を中医協総会において薬価基準又は材料価格基準に収載することについて審議します。
中央社会保険医療協議会
アロフィセル注(ダルバドストロセル)は2021年9月27日に承認されました(再生医療等製品・生物由来技術部会の審議は2021年9月6日)。アロフィセル注の適応は「非活動期または軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療」です。「ただし、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る。」とされています。 2021年10月13日に開催された中医協総会では、「医薬品と同様に薬理作用による治療効果を期待して肛門周囲複雑瘻孔の瘻管内壁に直接局所投与する再生医療等製品」とされていると説明されました。そのことから、医薬品の例により対応する、すなわち薬価算定に準じて価格を検討することになりました。